地域– category –
人間の歴史や文化は、その地域ごとの自然環境や社会条件に深く根ざしています。このカテゴリでは、日本から世界各地までを対象に、それぞれの地域に特有の文化・歴史・制度を整理します。アジア、中東、ヨーロッパ、アメリカ大陸、アフリカなどを横断的に比較することで、地域性の違いがどのように人々の暮らしや価値観を形づくったのかを探ります。
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なぜ今回の黒潮大蛇行は、過去最長の7年9ヶ月も続いたのか?そのメカニズムと影響
7年9ヶ月続いた黒潮大蛇行、ついに終息 2017年8月に始まった黒潮大蛇行が、ついに幕を下ろしました。海上保安庁と気象庁は2025年8月29日、この大蛇行が同年4月に終息していたと正式に発表しました。その期間、実に 7年9ヶ月 ── 観測史上最長の記録です。 ... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その7 ~外来文化の吸収と地方への定着~
異国の種、土着の花 ── 地方が咲かせた輸入文化 外国からやってきた文化は、ふつうなら「外来種」として珍しがられるだけでなく、しばしば警戒され、時には排除されてしまうものです。ところが日本では、その異国の「種」が各地の土壌に根を下ろし、やがて... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その6 ~方言と祭りに映る日本の多様性~
小さな列島、大きな違い ── 方言と祭りが語る日本 日本は地図で見れば小さな島国です。飛行機なら数時間、新幹線でも一日あれば端から端まで行けます。ところが、その道中で耳を澄ませば、言葉も響きも町ごとに変わっていく。狭い国土に、驚くほどの多様さ... -
なぜ蚊に刺されやすい人と、刺されにくい人がいるのか?
小さな虫がもたらす大きな謎 夏の夕暮れ、公園のベンチに腰かけているとしましょう。隣の友人は何ごともなく談笑を続けているのに、自分だけ足首に赤い点が次々と増えていく。そんな経験はありませんか? まるで「蚊に好かれる人」と「蚊に嫌われる人」が... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その5 ~江戸時代の三つの制度が描いた地方色~
江戸時代の制度と社会が地方の個性を育んだ なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか。これまでの記事では、その理由を 自然の壁 と 交通の道 という二つの視点から見てきました。キーワードは「閉じて深め、開いて磨く」です。 まず自然。山脈や大河、海... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その4 ~「開いて磨く」を加速させた交通の力~
壁と窓が描いた日本地図の不思議 ―「閉じて深め」から「開いて磨く」へ 前回の記事「なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?~自然の采配が生んだ、多彩な地方色~」では、山や気候といった自然環境が、地域文化を「閉じて深める」力として働いたことを... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その3 ~「閉じて深めた」自然と風土の力~
同じ国なのに、どうしてこんなに違う? 京都の町家を歩けば、格子戸の向こうから差し込む夕日まで几帳面に整列して見えます。ところが沖縄に行けば、赤瓦の屋根でシーサーがあくびをして、「陽気にいこうよ」と笑っているようです。北の北海道では雪まつり... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その2 ~データと地図で見る、地域の魅力と多様性~
感覚からデータへ ― 日本の多様性を「数値」で覗く 日本列島を旅したことのある方なら、一度はこう思ったことがあるはずです。「同じ国なのに、言葉も食べ物も、人の雰囲気までこんなに違うのか」と。 北海道から沖縄まで、直線距離にしておよそ3,000キロ... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その1 ~47の色を束ねる、日本の多様性アルバム~
47色で描く、日本列島の多彩なパレット 日本を北から南まで旅してみると、同じ国を歩いているはずなのに、まるで別の舞台に迷い込んだような錯覚を覚えることがあります。 京都では格子戸越しに差し込む西日が町家の影を描き、沖縄では赤瓦の屋根にシーサ... -
なぜ海外出張は、西回りより東回りの方が時差ボケがひどいのか?── そして、どうすれば時差ボケを和らげられるのか?
ヨーロッパよりも、アメリカ出張のほうがきつい気がする ── その理由は? 出張でたびたび海外に出かける人のあいだでは、「ヨーロッパ行き(西回り)よりアメリカ行き(東回り)の方が、時差ボケがきつい気がする」── そんな声をよく耳にします。 実はこの... -
なぜ隅田川花火大会に100万人集まったと分かるのか?人数カウントの意味と舞台裏
花火よりも難題 ── 大量の動く人間をどうやって数えるのか? お祭り、パレード、花火大会、そしてデモ行進──街中で行われるこうした大規模イベントでは、毎年のように「今年は○○万人が訪れました」と報じられます。その数字を目にするたびに、つい「へえ、... -
なぜ同じ日本人なのに、世代によってチャイムの音が違うのか?~太鼓からキンコンカンコン、そして静寂へ 音でたどる学校の130年~
「キンコンカンコン」を知らない子どもたち 「キンコンカンコン」が聞こえない学校が、少しずつ増えています。チャイムがない?では、授業はどうやって始まり、どうやって終わるのか。そう疑問に思うのは、昭和や平成の学校で育った世代でしょう。 私たち...